月刊全労連・全労連新聞 編集部

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【北海道】少数組合だからといってなめてもらっては困ります!パート職員1400人、嘱託職員400人の雇用の安定を勝ち取りました。#労働組合ができること 金融労連・北洋銀行労働組合 佐藤一枝

非正規の雇用安定確保 パートと嘱託職員の無期転換を実現

金融労連・北洋銀行労働組合 中央執行委員長 佐藤 一枝

 

 金融労連北洋銀行労働組合は1946(昭和21)年に結成された歴史ある組合です。1971(昭和46)年に経営側に組合を分裂させられ、現在の組合員は10人。しかし、分裂後20数年もの間、三桁の組合員が残ってたたかってきました。一貫して労働条件を守るために頑張ってきた組合です。

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 これまで、不当配転問題・けんしょう炎闘争・夫婦同居闘争・昇格差別闘争・女性昇格闘争・女性の定年延長(45歳定年を60歳に)などに取り組みました。今では当然のことが、たたかわなければ解決できない大変な時代でした。けんしょう炎闘争では48人という全国一の労災認定を勝ち取りました。

 

 1998(平成10)年、北海道拓殖銀行が経営破たんし、北洋銀行が業務を継承。システムを拓銀のものにしたことから、組合員もシステムを勉強するため、毎日業務終了後に残業して勉強しました。

 

 そうした中、営業店の課長だった組合員の斉藤久恵さんがくも膜下出血で倒れ、2日後に亡くなりました。仲間からは「これは労災だ」「もしかしたら自分だったかもしれない」との声があがりました。労災認定が棄却されたため、組合は労災認定を求め提訴7年ほどかかりましたが、勝利することができました。近年は、うつや心の病で休職した労働者の職場復帰のために組合が大きく関わっています。

 

《ねばり強く交渉を重ねた結果、大きな成果が》

 

 2017年の春闘要求では、2018年4月に施行される非正規無期転換制度を実効あるものにするよう要求しました。金融の職場はパートや嘱託職員なしでは回らないのが現実です。そのパートさんたちが安心して働けるように、無期転換制度の内容を早めに提示するよう求めるとともに、「誰でも無期転換できること」との要求を掲げ、団体交渉を行いました。

 

 春闘では5回の団体交渉を行いましたが、回答にはもう少し時間かかるとの返事でした。この間、組合として道労連の無期転換制度学習会に参加、金融労連北海道地協の主催で学習会を実施しました。パートや嘱託職員が多く働く北洋銀行事務センターや北海道銀行事務センターの地下鉄駅周辺で、何度も学習会のビラまきを行いました。講師には北海道労連の黒澤幸一議長(現・全労連事務局長)が来てくれました。

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北海道労連・黒沢幸一議長(現・全労連事務局長)による学習会の様子

 

 秋闘でも無期転換制度の制定を強く要求しましたが、回答は得られませんでした。ところが、12月になって銀行から「3年で自動的に無期雇用にする」と法律を上回る回答を得ました。

 

 これにより、全道でパート職員1300人嘱託職員400人雇用の安定が図られました。直ちに職場の掲示板に大きくビラを貼りました。職場のパート職員からは「これで安心して働ける」「『仕事がなくなった』といつ言われるか不安だったが、安心した」と喜びの声が届いています。

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 少数組合ではありますが、今後も労働条件を守るために奮闘する決意です。

 

( 月刊全労連2018年6月号掲載 )

 

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