2023年5月に神奈川労連労働センターに「労働組合のことで相談したい」と連絡があり、5人で組合結成し公然化した全労連・全国一般労組神奈川地本の和興商会分会(清田知初分会長)は、公然化以来3回の団体交渉を実施したが、会社は不誠実な回答を続けていた。
会社は日産の下請け会社で、要求は「営業部と工場との労働条件差別を改善したい」というもの。5人は工場の労働者だ。
不誠実な対応に終始する会社側に対して、アメリカUAW(全米自動者労組)がストライキを実行していることに学び、「同じ自動車産業の労働者としてストライキでたたかう」決意を固め、10月12日の団体交渉で「10月末までに誠意ある回答がなければストライキを決行する」と分会長が会社側に通告した。
10月23日に神奈川地本の水谷委員長と清田分会長が、井上社長に文書で直接申入れを行った。文書を受け取った社長は「大幅譲歩するので、ストライキはやめて妥結してもらいたい」と言明し、急きょ2日後の25日に団体交渉を労使2対2で行い、以下の項目を確認することが出来た。
①賃上げは要求どおり2000円から一律1万円に、夏期一時金は1.5か月支給する。
②パート組合員の時間給1500円と夏季寸志5万円も検討し回答する。
③社長兼務の工場長は新しい工場長にする。
④工場経費の是正と不当な役員昇給も返納・取り消す。
スト背景を会社に組合の真剣さを伝えた
粘り強く頑張り、ストライキを決意した5人の組合員は「ストライキを構えて、やっと会社側に話が通じた」と初めて安堵し、笑顔を交わした。
分会ではこの成果を自信にして、組合員を増やす相談をしている。この和興商会のたたかいを横浜地区協議会の役員などが支援してきた。このすばらしい成果と教訓に学んで、引き続き相互支援を行っていく覚悟だ。
誠意ある回答なければ再びスト通告を!
2024年1月から新工場長(日産の天下り)が就任したが、挨拶もなければ工場の運営方針の説明もなかった。分会では社長に抗議すると同時に説明を求めた。その結果、新工場長は営業半分、工場の仕事が半分で、必要があるとき以外は工場に来ないとの回答。分会は「工場の仕事に責任持てる工場長を」と要求している。春闘要求書の提出と共に事前申し入れも行い、誠意ある回答がない場合は再びスト通告し、ストライキを視野に入れて今年も奮闘してゆく決意である。
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(月刊全労連2024年4月号掲載)
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