月刊全労連・全労連新聞 編集部

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スシローの仙台店舗で組合員が「従業員代表」になりました! 首都圏青年ユニオン 事務局長 尾林 哲矢

全国のスシローから組合加入

 

 首都圏青年ユニオンの回転寿司分会( 回転寿司ユニオン (restaurants-union.org) )は、昨年10月から回転寿司最大手「スシロー」と団体交渉を続けている。当初は賃金計算の1分単位化や物価高騰下での賃上げを求めて学生アルバイト2人が組合を結成し、記者会見を行った。そのニュースが広く拡散され、スシローの従業員30人ほどから労働相談が寄せられた。そのうち、徳島県と、宮城県仙台市の店舗の女性パートが組合に加入している。その後、組合員が所属する各職場で組織化活動を行い、加入が増えている。組織活動の中身は、リーフレットの配布や近隣店舗へのアウトリーチ(店舗で従業員に話しかけ、組合に誘うことをこう呼んでいる)、関心のある従業員へのオンライン組合説明会の実施などである。人数が増えたことで、各店舗で賃上げが実施されたり、服務規程が改善されたりと、組合が影響力を持ちつつある。

 

 

職場活動の強化

 

 普段の組合活動として位置付けているのは、組合員でない人を含めて不満に感じていることを聞き取る活動である。休憩中や終業後の会話のなかで、例えば、店舗内でかなり気温があがる箇所があり汗だくになりながら働いているとか、店長のシフトの入れ方がおかしいとか、そういった話が職場から出てきている。組合に入ろうと誘うのだが、学生バイトやいわゆる「主婦パート」が多い中で、組合活動を行うハードルが高いと感じる人が多い。しかし、そうした人の要求も組合で掲げてよいか確認し、団体交渉を通して実現していくのである。エアコンの増設、送風機の設置、シフトの適正化など目に見える成果をつくったことで、非組合員からの組合への信頼が強まった。

 

仙台店舗での従業員代表選挙

 

 仙台のある店舗では、非組合員からの信頼を得たことで組合員が従業員代表に選出された。従業員代表には副店長とパートの組合員の二人が立候補したが、圧倒的な票数で組合員が勝利した。それ以前の選出は、パート・アルバイトの立候補が可能な手続きになっておらず、自動的に正社員が選出されていた。本社との団体交渉で、全員に立候補を募らないのであればその選出は無効だと主張したことで、今回から立候補が可能となった。


 多くの飲食店では同様に従業員代表の選出手続きが形骸化し、正社員が自動的に選出されている。しかし、飲食店労働者の8~9割ほどはパート・アルバイトであるため、本来、パート・アルバイトが従業員代表であることが健全なのである。就業規則が使用者有利に変更される際には、組合員がその歯止めとなる状況をつくることができた。いかに組織化へつなげていくかが今後の課題である。

 

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(月刊全労連2024年1月号掲載 )

 

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