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「売上移管」による一方的な賃金の切り下げ。我慢の限界に達した社員たちが、労働組合を結成してわずか2ヵ月で「24時間ストライキ」決行へ! #労働組合ができること JMITU東京地方本部西部地区協議会 リオンサービスセンター支部執行委員長 岡林 雅知

一方的な不利益変更に団結してたたかう 団結力はピカイチ、リオンサービスセンター支部結成! 〜3ヵ月での結成から24時間ストライキまで〜


JMITU東京地方本部西部地区協議会 リオンサービスセンター支部執行委員長 岡林 雅知

 

組合の結成大会(2023年3月25日)

 

 『売上移管』。2023年1月、会社側からの耳を疑うような発表であった。リオンサービスセンター株式会社の売上は、今後親会社に計上されるというものだ。そして、収益は親会社からの委託料のみになるとのこと。さらに会社側は2月、『新人事制度』を発表した。新制度とは名ばかりで、要するに社員に一方的な賃金の不利益変更を押し付けてきたのだ。


大勢の社員が決起! 労働組合結成へ


 現社長体制になってからというもの、会社側の信念なき経営には多くの社員が疑問を抱いてきた。2年前より関連会社買収、事業所移転などを行ってきたが、買収先会社社員の賃金格差問題、事業所移転に伴う業務整理・組織体制の不十分さなど、現状問題が山積みであったにもかかわらず、今度は『売上移管』と『新人事制度』である。コロナにも半導体不足にも耐え、社員は歯を食いしばって黒字成長の継続に貢献してきた。しかし物価上昇が生活を圧迫する中、いよいよ社員の我慢も限界に達したのである。

 

 幸い、親会社には60年の歴史を持つ労働組合があったため、親会社の労働組合やJMITUから多くの支援を受けることができた。そして3月25日、過半数を超える40人の社員が呼びかけに賛同し、組合結成に至ったのである。会社側が『売上移管』と『新人事制度』を4月から施行と発表する中、呼びかけから約2週間でのスピード結成であった。

 


団体交渉要求から争議行動へ

 現状への不満、将来への不安が充満する中、集まった組合員は状況好転を願う期待感に溢れていた。結成直後の3月27日、組合はすぐさま団体交渉要求を行い、『売上移管』と『新人事制度』についての労使間協議を要請した。しかし、会社側は組合による協議要請を完全に無視し、4月からこれらを強行的に施行したのである。社員の同意を得ず、労使間協議も経ない賃金の不利益変更など許されるものではない。以降、組合が結成されたことで、今まで社員個人ではできなかった会社側との交渉ができるようになると、会社側の不誠実な姿勢が次々と明らかになる。

 

 初回団体交渉時の組合要求に対しては、全8項目に対して「ご要求には応じかねます」の一言回答。団体交渉においては無言や同じ発言の繰り返しに終始し、全く交渉に応じる気配を感じさせないといった具合である。そんな中、社長個人による恣意的人事評価メモ、不当な賃金カット構想メモが発見された。これにより『新人事制度』における賃金の不利益変更が正当な理由なく計画されたことが明らかになり、社員の不満はさらに増幅することとなった。

 

 そして5月26日、組合は一方的な賃金の不利益変更、それに伴う労使間交渉の軽視、その他さまざまな不誠実対応に抗議の意を示すことで一致団結し、結成2ヵ月で24時間ストライキを決行することとなった。会社側の不誠実な姿勢をあらためさせ、正常な労使関係が構築できるよう引き続き奮闘する。

 

 

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( 月刊全労連2023年10月号掲載 )

 

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