障がい者雇用労働者が賃上げ求め1日ストライキ! オリンパスサポートメイト分会のたたかい 首都圏青年ユニオン #労働組合ができること
2021年6月21日に首都圏青年ユニオンのオリンパスサポートメイト分会の障がい者雇用組合員が、月額1万円の賃上げを求めてストライキを行った。
ストライキに入ったのは4人の組合員。事業所の労働者7人のうち4人が組合に加入しており、過半数を組織している状態だ。ストライキの当日には、手取りが14万円という低賃金の実態を社会的に訴えるために、厚生労働省記者会で記者会見も行い、いくつかの新聞でも報道された。
「朝食にコッペパンの半分、もう半分を昼食に」
オリンパスの特例子会社であるオリンパスサポートメイトとは、昨年から本格的に賃上げの交渉を続けてきた。これまで非正規雇用だった組合員の正社員化や、一時金(ボーナス)の創設などを勝ち取っていたが、賃上げについては結果が出せていなかった。そこで、今年の4月からの賃上げについては、絶対に勝ち取ろうと意思統一をしていたのだ。団体交渉を3回ほど行い、会社前宣伝も行ったが、賃上げ2000円という回答を引き出すにとどまり、目標に達しなかったため、ストライキを行うこととなった。
当日は記者会見を昼に行い、夕方に会社前ストライキ集会を行った。集会には40人ほどの支援者が集まり、当事者の組合員ら4人がスピーチ、賃上げ要請行動も行った。スピーチでは、「シャツ1枚買うにもためらってしまう」、「歯医者に行けない」、「恥ずかしながら、親から食糧の支援を受けている」、「借金をしている」、「朝食にコッペパンの半分、もう半分を昼食にとっている」など、生活困窮の実態が語られた。
最賃労働者のストライキ
オリンパスサポートメイトで働く障がい者雇用労働者らはフルタイムで月額16万円ほどの給料であり、手取りにすると14万円ほど。オリンパスサポートメイトはオリンパスの特例子会社であり、100%子会社でもある。つまり、大企業グループの一部なのだ。それにも関わらず、従業員らは低賃金で貧困に陥っている。時給換算にすると1168円であり、最低賃金付近の労働者だ。日本の最低賃金が世界的にも低い水準にあることは周知の事実だが、オリンパスの当該組合員のような最低賃金付近の労働者が近年、急速に増加している実態がある。
今後は、低賃金問題を労働者自身が声を上げて変えていく、そのような動きに繋げていければと考えている。日本社会の貧困・格差の問題の背景には低賃金の問題があり、低賃金とのたたかいは社会を変えていく上での根本的なたたかいである。
残念ながら、今回のストライキでは目標の賃上げは達成できなかったが、賃上げへの足掛かりはできた。ストライキの経験で組合員の団結も強まり、継続的なたたかいの準備もできている。引き続き、力を入れていきたい。
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