仲間と一緒に要求前進!「労働分配率を改める気はない」社長の言葉への怒りを結集 賃上げや休日増を勝ち取る!!
大宮電化は、リサイクルショップ「ハードオフ」にフランチャイズ加盟し、埼玉県を中心に64店舗を展開しています。正社員・契約社員は約150人。うち110人が大宮電化支部に加入、パートやアルバイトなども含め約120人が組合員です。
組合結成の中心となったのは、店舗の店長を束ねる立場のエリア長たち。同社では待遇の悪さに若い社員が次々と辞めてしまっていました。それを社長に伝えたこともあります。
「でも、経営陣には危機感が全くなかった。社長にも待遇改善を訴えたが、『労働分配率を改める気はない』と明言され、もう組合をつくるしかないと思った」と田中書記長は振り返ります。
店長を集めて呼びかけその場でほぼ全員加入
田中書記長や藤巻委員長など、中心メンバーで全国一般に相談。組合づくりの基本を学び、2020年8月31日に結成しました。同日、エリアごとに店長を集め、「労働組合をつくった。みんな加入してほしい」と呼びかけたところ、ほぼ全員が加入したといいます。
高い組織率を背景として翌9月に団体交渉を開始。途中、冬の一時金交渉もあり、妥結したのは21春闘でしたが、基本給アップ、一時金の改善、勤務時間短縮、特別休暇・慶弔休暇制度、パートの有給休暇取得で差別撤廃などを勝ち取りました。「社員たちから、『改善された』『ありがとう』と言ってもらえて、うれしかった」(田中書記長)。
デジタル技術をフル活用 スト権もパワポで解説
組合結成がコロナ禍の最中だったこともあり、活動の中心はオンラインです。「交渉の様子を生中継したこともある。現在も交渉は録音して共有している」。Zoomでの団体交渉報告会には50人ほどの参加がありました。
21春闘ではスト権を確立しました。スト権についてもパワーポイントで資料をつくり、オンラインの会議で説明しました。連絡は基本的にL I N E 。組合費もLINEペイで払うことができます。組合員の声もオンラインでアンケートを取り、その内容を団体交渉で伝えています。活動スタイルは今風ですが、組合運営の姿勢は極めて原則的です。
結成から1年半近くが経ち、現在の課題は、さらなる賃金アップと組合の継続です。「一部の役員に負担がかかるやり方では長続きしない。楽に活動していけるよう工夫したい」